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Toss「up and down」リリースインタビュー

sankaraのラッパー・Tossの新曲「up and down」が1月27日にリリースされた。

今作は仙台を拠点にするunnunのラッパー,ビートメイカーのDABDEを客演に招いた曲。DABDEはTossが2018年〜2019年にかけて、sankaraでの活動の傍ら毎週新曲を発信していたソロプロジェクト『Weekly Lab』でタッグを組んでいた盟友。 同曲も2人での制作が円熟してきた当時に原型ができたもので、Toss自身のフェイヴァリッ トでもあることから、ソロ活動のニューイヤーを飾る曲に選んだという。「DABDEとは音楽的な背景や境遇が似ている」と話すToss。 今回は制作に至るまでのプロセスや現在の心境まで、インタビューにて伺った。 (文・取材 kyotaro yamakawa)





・今作の「up and down」が生まれたきっかけでもあるTossさんのソロプロジェクト「Weekly Lab」とは改めてどういった企画だったのでしょうか?

「ざっくり言えば、現代版MIX TAPEみたいなものを作りたかった。

あとは、自分のスキルアップの為とsankara自体の知名度を考えた時に何か動きたいなと思って始めました。最初はSoundCloudとかに上げるつもりだったんですけど、すでにやってる人もいたしつまんないなと思って。 その時に、sankaraで映像を担当してくれていたGyuさんと『動画を一緒に配信する人が居ない』みたいな話になって。当時たまたま、知り合いが僕のイラストを描いてくれたり、DABDEに声かけたらいきなり3曲くらい送ってきてくれたり、MIXしてくれた服部さんやYUTO(Gumball and Ego)含め周りに恵まれていたのがきっかけで、そこからアイデアを膨らませて制作し始めました。今でこそGyuさんもsankaraのMVをはじめ他の人の映像も担当されていたり、イラストを描いてくれた寺田 典夫さんはYOKEという人気アパレルブランドを手がけてますが、当時まだブランドを立ち上げたばかりで、これからってバイブスが重なったタイミングだったんですよね。DABDEと僕も音楽活動の中で大きな分岐点があってそれぞれ新しい事をはじめてた時期で。

で、どうせ曲を制作するんだったらそういう人達と毎週面白いことができたらいいかなっていうのが、Weekly Labを始めたきっかけです。」


・タイミングが合ったんですね。 「そこから、当時あまり音楽界隈ではやっていなかったインスタの広告とかアニメーションを付けた方が広がりやすいかもとか、見てもらえるようロジカルに考えていきましたね。」

  ・制作を共にしていたメンバーは、プロジェクト以前からシンパシーを感じていましたか? 「Gyuさんは、彼が元々DJをやっていた頃からの付き合いで。映像を撮るってなった時も情熱やバイブスは共有できてましたね。DABDEに関しては、sankara以前からライブが一緒になる機会もあって、お互いラッパーとして認め合っている意識もありました。Weekly Labを始めてから、より近くなりましたね。」 ・ある種のアドリブ感、ライブ感もある制作過程だったんですかね。 「そうですね。当時Gyuさんもアニメーションにはそこまで慣れてない状態で、After Effectsっていう編集ソフトでやってたんですが、色を反転するだけでも調べながら1時間以上かかってしまう感じで(笑)。制作に5,6時間以上かかるのは当たり前でした。ただ最後の方になったら、1時間かかっていた作業が2分で終わるぐらいになりましたし、そういう意味でも一緒に制作していた実感はあります。」


(DABDE)



・Tossさんのソロワークとsankaraではスタンスなどに変化はありますか? 「sankaraでもソロでもスタンスは何も変わらないつもりではあります。ただ主観はやっぱり強くなる部分があって。sankaraだとRyoがhookで救済してくれる感じも実はあったりするんですけど、それが無くなった時に自分でバランスとらなきゃっていう。主観が強まるから客観が見えてくるというか、居なくなってから初めて気づく、みたいな事はポジティブな意味で感じました。」


・今作の「up and down」ではポジティブ且つフリーなマインドが込められていますが、Tossさん自身ではどういうメッセージとして制作されましたか? 「色々コンセプトを付けて書いてはいるんですけど、僕らがどういうテンションで作ったかっていうのはリスナーからしたらどうでもいいのかもなって思ってる部分も個人的にはあったりして。ただ、どうでもいいかもしれないけど意外と伝わるなっていう反面もあります。

"up and down"の自分のヴァースの後半で、"誰がつける価値 書き起こすlyrics 外と繋ぐアーチ 大事なのはsimple 音とお友達 "っていう部分があるんですけど、僕にとってはこれが全てです。僕たちがどんなテンションで書いても、それを評価するのはリスナーで。その評価に対して僕らが何を思うかっていうのもはっきりいってどうでもいいのかもなって。でも、もちろん褒められたら嬉しいですよ。(笑)大事なのは自分たちがアップアンドダウンしている感情で、それが無いと曲は書けないと思うので。結局はバカっぽいんですけど、全部引っくるめて音とお友達になりましょうって事だとも思います。」 ・リリック同様、凄くフレッシュな意見だと思います。Tossさんのリリックのルーツのようなものはありますか? 「僕自身が、外から見られる時の自分と実際の自分にギャップを感じる時があって。みんなそうだと思うんですけど。

そういうフリーでフレッシュなマインドを持って、日々楽しそうに過ごしている人に憧れてる自分もいたりして、ただその人にも実はそうじゃない部分もあるはずなので。そういった事を自分の中で消化して、嘘じゃない言葉で伝えたいっていう。なので僕自身は、フリーなマインドを持ってる人間では無いと思います。嘘なく言葉を伝えれば共感してくれる人もいるだろうなって思ってるので、素直に吐き出そうとは思っていますね。」



・「up and down」はMVも公開されていますが、こちらはどういったコンセプトがありますか? 「今回のテーマは部屋の中ですね。そもそもWeekly Labが、家の中で作った研究過程をみんなに見てもらうっていうのがテーマなので。部屋の中でなるべくミニマムにっていうのを意識しました。ただ、Weekly Labであったようなギミックは使いたかったので、監督してくれたGyuさんと相談しながら僕ららしく面白くできたらいいなって考えながら制作しました。」 https://youtu.be/OQ-LNvv1eus ・ご自身の中では満足いく一曲に仕上がったという事ですね。 「今までずっとやってきたものを一回形にできたのがよかったです。DABDEと一緒にラップしたかったていうのも願望としてはあったので、それが叶えられたのもとても嬉しかったです。」 ・今後のソロワークやsankaraでは、どういった展望がありますか? 「ソロでは、妄想が色々あるのでそれをタイミング見て現実にしていけたらなと思っています。そのタイミング自体も、自分が引き寄せないとって思ってる部分があるので引き続き曲は書いて準備していこうと思っています。

sankaraは、昨年の3月にEPリリースして配信シングルも数曲だしたんですけど、初ワンマンも延期になってしまって色々ご時世的に影響は受けてはいます。ただ、よく言う"大変な時だから〜"みたいな言葉は僕はあんまり好きじゃ無くて。そこはシンプルに、"みんないつも大変っしょ"みたいな感じでピンチをチャンスに変えていきたいですね(笑)。やる事やるだけなので、影響は出ててもそんなに気持ち的に厳しくはないです。とにかく僕らの音楽を世の中に出していこうと思います。」


(文・取材 kyotaro yamakawa)

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